いっき
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しゅんたのかみひこうき《前編》

なつやすみ企画(きかく)しゅんたシリーズ 《しゅんたのかみひこうき》・前編(ぜんぺん)

前書き

いっき(@ikkiTime)です。fmjでは半年ちょっと、お休みをいただいておりました。(お久しぶりです。)
その間に、fmjの終幕がコールされたりと色々あったわけですが、今回、その最後の夏休み企画として、物語形式で書き進めたテキストをエントリとして公開させていただくことなりました。
個人的には新しい試みで、いろいろ思うことはあるわけなのですが、まずはお楽しみください。
どうぞ。

▼ ここから おはなし ▼

 しゅんたが かぎをあけて いえにかえると きょうもかぞくで いちばんのりでした。ランドセル(らんどせる)をおいて てをあらって、あたりを みまわします。

 ちょっとテレビ(てれび)をみようかとも おもいましたが ほんだなから じぶんのかみひこうきのほんを とりだして、あたらしい ひこうきのおりかたを おぼえようとおもいました。
「どれにしよう」
 きょう、がっこうで ともだちのみんなに、しゅんたは「いかひこうき」と「やりひこうき」のおりかたをおしえたのでした。
 
 じぶんがおしえて、みんながすごいのを つくれるようになるのも すきだったし、じぶんがいちばんすごいのを つくってみせて、びっくりさせるのも すきだったのです。

 がっこうや がくどうに、べんきょうと かんけいのないものを もっていくわけには いかないので、がくどうで ともだちとつくるには、つくりかたは おぼえていないと いけません。

「これ、むずかしいなあ」
 
 
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 しゅんたの かみひこうきのほんには、20も ひこうきのつくりかたが のっています。でも、かんたんなものは もうおぼえてしまったし、あたらしいおりかたは むずかしくて、よんでも よくわかりません。
 
「ただいま」
 きょうの 2ばんのりは、おとうさんでした。
「おお、しゅん、ただいま」
「おとうさん、おとうさん! インターネット(いんたあねっと)でかみひこうきのおりかた、しらべたい」
 しゅんたは、「おかえり」を いうこともわすれて、かえってきたばかりの おとうさんに、おねがいしてみました。

 しゅんたのうちには、パソコン(ぱそこん)があります。おとうさんやおかあさんが、よく せいきょうのかいものを したり、あしたの てんきをしらべたり しています。

 たまに、しゅんたたちのすきな おどりの「どうが」をみせてくれたり、おえかきのできる「サイト(さいと)」であそばせてくれたりします。めいろやぬりえのプリント(ぷりんと)を さがしてくれることも あります。

 おとうさんが、いいました。
「かみひこうきのおりかた か。わかった。パソコン(ぱそこん)で だしてあげる。「きまり」を まもってつかえるかな?」
「もちろん!」
 しゅんたはこたえます。

「きまり」というのは、しゅんたたちの かぞくの4つのやくそくです。スマホ(すまほ)やパソコン(ぱそこん)をつかうときには、これを まもってつかおうね、と きめているのです。



◎なにをするのか、おとなにいってから はじめること(だから、おとながいないときには つかってはいけない)
◎じかんを はかって つかうこと
◎そこで みかけたものを、ほしがったり、かったり、しないこと
◎きかいのなかで ひととあったり、はなしたり するのは、おとながいっしょに やってくれる ときだけにすること



 しゅんたは、かみひこうきの おりかたを しらべて、れんしゅうしたいだけ。もちろん、だいじょうぶ。
 おとうさんが パソコン(ぱそこん)に「かみひこうきの おりかた」と うちこんで、よさそうな ネット(ねっと)のページ(がめん)を うつしてくれました。

「ちがうページ(ぺえじ)にしたいときは、またちゃんと、おとうさんに いうんだよ」
「うん、わかってる」
 しゅんたは、その「ひこうきだいすき」というページ(ぺえじ)のなかに ならんでいる、たくさんの かみひこうきの しゃしんのひとつを えらんで「カチッ」(かちっ)とやって、さっそく おってみました。

「うん、この『しかくひこうき』って、おりやすそう」

 3かいくらい つづけて れんしゅうすれば、おぼえられそうです。
そのとき、がちゃりと おとがして、
「ただいまー」
 げんかんのほうで、いもうとのおむかえをした おかあさんのこえが きこえました。
 しゅんたはそのひ、ゆうごはんがはじまるまで、なんどもそれを おりました。



 つぎのひは、しゅんたはうきうきしたきぶんで、いえにかえりました。あしたが どようびなのが、ざんねんなくらいでした。

 こんなに ふしぎなかみひこうきを しっているともだちは いなくて みんなおどろいていたし、みんなでおったら、しゅんたのおったひこうきが いちばんよくとんだのです。
「やあ、しゅん、きのう おっていたかみひこうき、きょう がっこうでとばしてみたの?」
 かえってきた おとうさんがききました。
 
「うん! すっごくよくとんだ。そんで、おれのがいちばんよくとんだよ!」
「そうか。それはよかったなあ」

 しゅんたはランドセル(らんどせる)から、きょうおったとっておきを とりだしました。
「これなんだけどさ。あんまりとがってないかたちなのに、ふわ〜っと とおくまで、すごくよくとんだんだ」
「ほう! そうなのか。たしかにこれは、ふしぎなかんじだね」
 おとうさんは、ちょっとかんがえるようすです。

「どうかした?」
「うん、じつは インターネット(いんたあねっと)のあのページ(ぺえじ)をつくってるひとは、おとうさんの しりあいなんだ」
「えっ」
「おなじ ごちょうないにすんでいる。だから、しゅんがそうしたければ、いっしょに あいにいくことができるけど、どうする?」

 しゅんたはおどろきました。きのうみていた、「ひこうきだいすき」のページ(ぺえじ)は、かなりきにいっていたからです。

 いままでに あやとりのことやテレビのことを しらべるときにみせてもらった サイトよりも、ずっと さがすのがわかりやすかったし、ちょうどいい むずかしさのひこうきを たくさんしょうかいしてくれていて、せつめいのイラスト(いらすと)もていねいで、なんだかすごいひとが つくっているのが しゅんたにもわかったのです。

 そのサイト(さいと)をつくったひとが、おなじまちにいて、そのひとにあうことができる。
「あってみたい!」
「うん、わかった」
 おとうさんは、にっこりわらっていうと、でんわをかけはじめました。

「もしもし……、あ、はい、そうです。……。はい、では、あした2じごろに おうかがいしますので。よろしくおねがいします」
 おとうさんが でんわをきりました。
「どうだった?」
「いいってさ。じゃああした、おとうさんとしゅんたでいってみようか」
「いいよ!」



 つぎのひ。
 しゅんたとおとうさんは、でかける したくをして、おるすばんをおねがいすると、じてんしゃおきばにむかいました。
「きょうは、じてんしゃでいってもいいの?」
「うん。おとうさんものる。だから、いつもいっている ちゅういはまもって のってくれよ。

 こうさてんでは、とまって みぎひだりをみる。
 おうだんするときは、うしろもみる。
 みちでは はじをとおる。

 そういったことを。
 もう、しゅんたがそれをできるって、おとうさんはしっているけど、もういちどやくそくだ」
「うん、やくそくだね」
 しゅんたはヘルメット(へるめっと)をかぶって じてんしゃにのると、おとうさんについて はしりはじめました。

 ラッキー(らっきい)なことに、てんきのいいひでした。まださむかったけど、かぜがきもちいいです。
 しゅんたは、じてんしゃをうんてんするのが すきでした。ギア(ぎあ)をかえたり ちからをこめたりして、のりこなすかんかくが すきだったし、かぜでスピード(すぴいど)をかんじられるのも、たのしいからです。
 
 こうさてんでとまって みぎひだりをみた しゅんたをみて、おとうさんがいいました。
「うん、いいね」
 おとうさんが、しゅんたをみて いいました。

「なるべく あぶなくないみちを えらんであんないするけど、ゆだんしないで いてくれな。かぎを かけたいえのなかじゃないから、ぜんぶは あんしんできないよ。
 あわてててうっかりしているひとも むこうからくるかもしれないし、こっそりわるいひとも いるかもしれない」
 
 こういうときの、おとうさんのせつめいは ながいよな、と しゅんたはときどきおもいます。でも、もっとうまくなるためには ひつようなアドバイス(あどばいす)だということも わかるので なるべくちゃんと おぼえるようにしています。

「だから、こうしてひとと あうときには、おとうさんかおかあさんが いっしょにいける ときだけに するようにしてくれな」
「それも やくそくだね」
「ああ、そうだね。あとで いつものノートにまとめておくよ。
 って、あっ、ここをまがるよ」
 しばらくそうして ふたりではしり、おとうさんとしゅんたは、いっけんのいえのまえで とまりました。
 
 そして、おとうさんが、そのいえの よびりんをおしました。
 さあ、いよいよあえます。
(あの ひこうきのサイト(さいと)をつくっていたのは、どんなひとなんだろう)
 しゅんたはおもいました。
 
 
 
 
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(きょうは おはなし おわり。らいしゅうに つづくよ)

大人の後書き

しゅんたの物語、第一回、いかがでしたでしょうか。
今回のシリーズで、物語を考え、それを文字にしたのは私いっきです。原案ですね。
そしてその物語が、みなさんのご覧の形になるまでに多くの力を借りています。
まずイラストは、Koi-fumiさん(@koi_okasira)が描いてくださっています。
 ⇒Koi-fumiさんのブログ『http://blog.livedoor.jp/koi_fumi/

公開前のレビュー・アドバイスには、fmjの皆さんの力をおおいに借りています。

ご協力いただいたみなさんに、まずはお礼を。ありがとう!

というわけで、この記事中のcopyrightはfmjのクリエイティブコモンズライセンスだけにかかわらず、文章は私いっきに、絵についてはKoi-fumiさんに属しています。無断での転載はご遠慮ください。

コンピュータやネットのことを子どもにわかりやすく説明したい。

ネットで何ができるのか、大づかみなところを、親しみやすく、物語の形で説明する。

それも、先生役と生徒役がひたすら対談していく形式ではなく、ちゃんとした物語駆動力のある文章で。

そんなことを考えながら、書き始めた文章です。

お金の話や死、性の話。

親しいとなかなか話題にのぼらせにくい話題ってあると思います。

コンピュータとかゲームというのも、そういったもののひとつかもしれません。

もしそういう状況にいる人がいるなら、この物語を話題にすることが、親子の間での話しをするきっかけになってくれたらうれしい。

そんな気持ちで書いています。

それではまた、来週お会いしましょう。

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苦しい毎日を、もうひとふんばり。 いっき(@ikkiTime)です。 普段は 「イキブロ」というブログで、ライフハック系の記事を書いています。 恐い明日を、少し親しみやすく 今日をもう少しご機嫌に。 都内在住のサラリーマン。30代です。 2児(兄妹)の子育てに、共働きの妻とともに取り組んでいます。 理詰め派の上、日がな緊張感が高いので、生きづらさを感じる場面も多いです。 いわゆる「ふつう」のお父さんになれない場合でも、あれこれ工夫して、『 このお父さんでよかった!』と思ってもらええるアイデアを、シェアしていきたいと思っています。

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