いっき
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しゅんたレンジャー、はるをさがす!《後編》

なつやすみ企画(きかく)しゅんたシリーズ 《しゅんたレンジャー、はるをさがす!》・後編(こうへん)

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ぜんかいの あらすじ

しゅんたは、かみひこうきや せんたいヒーロー(ひいろう)が すきな、しょうがくせい。
いもうとは、すぐに
「まいちゃんも、まいちゃんも!」
と、うるさいけど やっぱりなかよしです。
あるひ、がっこうの プリント(ぷりんと)で、『はるをさがそう の かい』というイベント(いべんと)の おしらせが はいっていました。
はるをさがすことと、スマホ(すまほ)と、チームでのミッション(みっしょん)。
ふしぎなくみあわせですが、いったいどんないちにちに なるのでしょうか?

▼ ここから おはなし ▼

ミッション(みっしょん)のひは、きもちのいい はれでした。さいきんは、あめも おおかったのですが、これなら あたたかくなりそうです。
しゅんたと まいと、おとうさんは、がっこうのこうていに あつまりました。
「おっ、しゅんたじゃん」
「おう、りょうすけ!」
りょうすけのうちも、さんかするようです。
こうもんのところで、てつだいのPTA(ぴいてぃいえい)の おとなたちが、せつめいのプリント(ぷりんと)を くばっています。

しゅんたたちは、くばられたプリント(ぷりんと)をうけとって こうていにあるいていき、かいちょうさんの はなしをききます。
「きょうは、よくあつまって くださいました。
この かぜむかいまちは、やまおくや でんえんというわけにはいきませんが、たくさんのしぜんが まちのなかにのこっています。
ふだんは みなれてしまって、きづかないかもしれませんが、きょうは、そんなちいさな はるのけはい・ちいさな はるらしさをみつけて、おとうさんおかあさんと きょうりょくして、ほうこくしてください」
「はーい!」

あつまったこどもたちが、いっせいに へんじをしました。しゅんたもしました。
がっこうをでると すぐにいもうとが、こうもんのわきの じめんをゆびさして こえをあげた。
「あった!」
コンクリート(こんくりいと)のすきまの、せまい つちに くさがはえていて、そこにちいさな あおいはな。これは……。
「おっ、まいちゃん、そうだね。これは〔おおいぬのふぐり〕だね」
「そう、それ!」
くそっ、おれもそれ、しっていたはずなのに。と、しゅんたが くやしがっているあいだに、おとうさんはスマホ(すまほ)でしゃしんをとって、がめんをそうさしています。

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「おとうさん、がめん、みせて!」
「いいよ。これが、いま とったしゃしん。これを、あらかじめログイン(ろぐいん)したがめんから、ネット(ネット)のコンピューター(こんぴゅうたあ)にほうこくするんだ。ええっと、はっけんしゃを せんたく『ピンク・ビオラ』(ぴんく・びおら)……」
「そう、まいちゃん! えっへん」
「しゅんた、がめんの このそうしんボタン(ぼたん)のことろ、『とんっ』てして?」
「おっけ!」

がめんがきりかわって、
《ほうこくされました》、《はっけん、ありがとう! ひきつづき よろしく!》 というメッセージ(めっせえじ)がひょうじされました。
「ようし、どんどんさがすぞ! そんで、つぎこそは おれがじぶんで さきにみつける!」
「しゅんとまいは、きょうそうしてもいい。だけど、ミッション(みっしょん)の じゅんいはっぴょうでは、チーム(ちいむ)なんだからね。そして、ほかのチーム(ちいむ)とは、じゅんいでは きょうそうだけど……」
「あっ、みっけ! おとうさん、ちょう もいいよね? むし! あそこ!」
こんどは しゅんたがみつけました。
「おっ、おう。じゃあ、しゃしんをとってと……」

こんどは、ほうこくしゃが『ネイビー・ファルコン』(ねいびい・ふぁるこん)になりました。
おとうさんが、『もんしろちょう』につづけて、『2ひきで からみあうように、ひがしからにしへと とんでいきました』とメッセージ(めっせえじ)を つけて、ほうこくのボタン(ぼたん)をトン(とん)しました。

「そうだ、おとうさん! いえのまえの うめのはなを とりにいこうよ! それから、かぜまちやま こうえんの もりへいこう!
おれ、ひゃっこくらいみつけたい!」
「おーい、まってくれー」
そのあと、〔うめ〕につづけて、〔もも〕、〔すいせん〕、〔てんとうむし〕、〔なのはな〕、〔たんぽぽ〕〔すみれ〕、と、どんどんみつけていきました。
オレンジ(おれんじ)いろの ひなげし、きいろい かたばみ なんかは、なまえはしらなかったけど、おとうさんがしらべてくれました。
〔つつじ〕のはなは、ひとつしか みつけられませんでしたが、しろい〔なずな〕のはなや、きいろの〔のぼろぎく〕などは、あちこちで みつけることができました。

〔ねこやなぎ〕、〔みつばち〕をほうこくするころには、ほうこく がめんの ちずのうえに、しゅんたたちが みつけたばしょの ピン(ぴん)のイラスト(いらすと)がいくつも たっていました。
それぞれのよこに とったしゃしんを ちいさくしたものも ひょうじされていて、がめんが ずいぶんにぎやかになった かんじです。

「あっ、おとうさん、これ、さくら! ……、つぼみも いいのかな?」
「いいとおもうよ。よし、ほうこくだ」
そうやって、さんにんが 43こめの ほうこくをしたとき、おとうさんが とけいをみていいました。

「そろそろ11じはんだ。こうていにもどらないと。しゅうりょうしきを やるはずだから」
「えーっ」
「まだやりたい」
と、しゅんたたちが ざんねんがりながら  こうていにもどると、しゅうりょうしきが はじまるところでした。また、かいちょうさんが、だんに のぼっています。

「そういえば、そろそろ いいかな」
おとうさんが スマホ(すまほ)をそうさして、ちずのがめんで「ぜんいんの ほうこくをみる」というモード(もーど)をよびだしました。
きゅうに、がめんぢゅうに ピン(ぴん)がなんびゃっぽんも あらわれました。

かぜむかいまちの、ちょうないぜんたいに、いろいろな こどもの あげたほうこくが、さまざまないろのピン(ぴん)で あらわされています。
しゅんたが、まだあそびにいったことのない こうえんにも、じょうほうのピン(ぴん)がいくつもたっていました。

はたけで ふきのとうを みつけているひともいたし、〔ほとけのざ〕や〔ひめおどりこそう〕、〔からすのえんどう〕を、はなもさいてないのに はっぱだけでみわけて、ほうこくしているこもいました。
(すげえ。みんな、すげえ)
しゅんたは おもいました。
(みんな、こんなに いろいろなところで、がんばっていたのか)

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「あっ、おとうさん、このしゃしんみせて!」
しゅんたは がめんのいっかしょを ゆびさしました。

(さくらだ。ちゃんとさいてる……)
すると、おとうさんが それをみて、
「ああ、これ、はたなかさんのところじゃないか。あそこのは『かんざくら』だからね。たしかに、もう さいてるかも」
と、いいました。

「ひこうき おじさん! そういえば、この ちずって、ひこーじさんのうちからも みられるの?」
しゅんたがきくと、おとうさんは、
「いま、さんかは してないだろうあ。でも、おなじ ちょうないに すんでいるから、しんせいしてもらえれば、IDとパスワード(ぱすわあど)を つくってもらえるとは おもうよ」
「パスワードって、スマホ(すまほ)のパスコード(ぱすこうど)みたいなもの?」
「そうそう。たいいんや まちのなかまだけが、それぞれちがう パスワード(ぱすわあど)で、あのちずの がめんにはいって、ほうこくしたり、みたりするんだよ」
「ふうん。なんだか、めんどくさいかんじ」

「かってなひとが、うそのことを かいたかもしれない、と おもいながら みなくてすむし、じぶんがうっかり かきまちがえたときに、そんなにおおぜいの ひとにみられるまえに、なおしたり けしたりできるから、わるいことばかりじゃないよ。

こんなふうに、ごちょうないの ひとだけがたのしめる くわしいじょうほうや、しっぱいすることもある こどもの さんかするイベント(いべんと)では、いいことも いろいろあるよ」
「なるほど、つかいわけ、ってやつだね」
「お、おう。そういうこと」

しゅんたたちのみつけた『はる』は、けっきょく43こくらいだったけど、このひに ぜんいんがみつけたぶんを あわせたかずは、ひゃくなんてかるくこえていた。

しゅんたは、ただ「いちばん」になりたくて がんばっていただけだったけど、みんなが がんばったぶんを、こうして みんなでみられるばしょに あつめると、ひとりひとりでやっていたことよりも、もっとすごいことになっている。

「そうだ。あと、こんなこともできるよ」
おとうさんが がめんを そうさして、「べつのとしの ほうこくをみる」というボタン(ぼたん)をえらびました。

「この『はるを さがせ ミッション』(みっしょん)は、このまちで 5ねんまえからはじまったんだけど、その5ねんかんの ほうこくが、ぜんぶ とってあるから、それをちずのうえに もういちど うつしだすこともできるんだ。
たとえば、これは だい1かいの ときのだから、ほうこくしてる ひとのなかには、もう しょうがっこうを そつぎょうしちゃってる ひともいる。そんなひとたちの ほうこくも、のこっているんだ」

おとうさんは、1ねんめから、2ねんめ、3ねんめ、と、じゅんばんに ねんをきりかえました。おなじばしょの ちずなのに、まいとし、ほうこくされている「はる」のしゃしんがかわります。
「あっ! このひと、おれと おんなじところで、たんぽぽを ほうこくしてる!」
「ほんとだ。このあたりに、まいとし よくさくのかな? それにしても、ぐうぜんだね」

こうして、たくさんのピン(ぴん)やしゃしんを みているだけで、いろいろなことに きづけそうで、しゅんたはドキドキ(どきどき)してきました。

「おとうさん、これ、いえにかえって、パソコン(ぱそこん)のがめんで みてみてもいい? そのほうが、おかあさんにも、おれのみつけた『はる』を おしえるときにも、みせやすいしさ」
「いいよ。ちゃんと、4つのやくそくを まもってな」
「うん! あっ、そうだ! あと、おひるごはんたべたら、ひこーじさんちの、『かんざくら』みにいきたい! いいでしょ?!」
きょうの みんなのおかげで、「ただのくさ」だと おもっていたものが、じつは はるのしるしだということが わかりました。

みんなで ちからをあわせると、わくわくがひろがる。
しゅんたは、なんだか まちきれないきぶんになって、いえへのみちを はしりだしました。

(おわり)

(おはなし、おわり。よんでくれて、ありがとう!!)

大人の後書き

「コンピュータやネットのことを子どもにわかりやすく説明したい」。
第1週目のあとがきでもちらりと書いた思いです。

そういうことを考え始めると、自然と自分にも、いろいろ入ってくるようになります。

NHK教育の『スマホ・リアル・ストーリー』みたいな番組を見つけたり。
スマホ・パソコン・SNS よく知ってネットを使おう! こどもあんぜん図鑑』みたいな本を読んでみたり。

ただ、これらはどうしても「『高学年向け』なんだよなあ」という感じもまたしました。

これを、そのままま低学年の子に「いつかのために、読んどきな」と渡すのはむずかしい。
情報の一時可負荷量も、ネガティブ耐性も、あそこまでのものは期待できないし。

ちょうどいいのが、ないものかなあ。

生まれたときから、自然にインターネットが身近にある世代のものがたり。

(「あるわけないじゃん。小学生でブログやったり、インターネットやってるやつなんて、そんなにいるわけないんだから。俺たちが最初にきまってるよ」)

と、しゅんたの声が頭の中に聞こえてきて、それでこのお話が生まれます。

いつか、追加エピソードを書いたり、本にまとめたりできたらいいなあ。

そして、イラストは、Koi-fumiさん(@koi_okasira)が今週も描いてくださっています。
⇒Koi-fumiさんのブログ『http://blog.livedoor.jp/koi_fumi/
(というわけで、この記事及び企画中のコンテンツのcopyrightは、fmjのクリエイティブコモンズライセンスにかかわらず、文章は私いっきに、絵についてはKoi-fumiさんに属しています)

さまざまに活動をしておられる人ですので、このシリーズを通して、koi-fumiさんの絵にもご興味を持っていただけたなら、(この企画が最初で最後になってしまいましたが、)fmjの場を借りた甲斐もあったというものです。

それでは、また。
いつかどこかで。

いっきでした!

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ごあいさつ

ファミリーマネジメントジャーナル代表、くらちのりこです。

このお話をいっきさんが書いてくれていた頃はまだ「ポケモンGo!」はリリースされていませんでした。大人と子供が連れ立って、スマホを通じて遊びに興じることが本当に現実になっています。子供たちにインターネット上での振る舞いを、身を守る術を、つながりの楽しさとともに学んでもらう必要が出てきました。

さて、今日で最後の更新になりました。
4年に渡って運営できたのは読んでくださった皆さんと、集まってくれた執筆者のみなさんのおかげでした。本当にありがとうございました。

2016年 夏の日に。

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苦しい毎日を、もうひとふんばり。 いっき(@ikkiTime)です。 普段は 「イキブロ」というブログで、ライフハック系の記事を書いています。 恐い明日を、少し親しみやすく 今日をもう少しご機嫌に。 都内在住のサラリーマン。30代です。 2児(兄妹)の子育てに、共働きの妻とともに取り組んでいます。 理詰め派の上、日がな緊張感が高いので、生きづらさを感じる場面も多いです。 いわゆる「ふつう」のお父さんになれない場合でも、あれこれ工夫して、『 このお父さんでよかった!』と思ってもらええるアイデアを、シェアしていきたいと思っています。

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