なお♪
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「ほっほい!」を認知行動療法的に考える

認知行動療法って何?

ほっほい!
こんにちは,ドクターなお♪です。
毎日の育児に家事に,それにお仕事していらっしゃる方も,お疲れさまです♪

先日,自己紹介の記事に「疲れたときに『ほっほい!』と言ってみる」という話を書きました(…試していただけていたら嬉しいです!)。

疲れたときに「ほっほい!」と言ってみると疲労感を軽くできるかも…というのは,じつは「認知行動療法」という心理療法の基本モデルにも登場する考え方だったりします。

認知行動療法ということばは最近とても有名になってきたのですでにご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんが,心理療法のやりかたのひとつで,うつや不安の改善を目指したり,治った後に再発予防として使われたりすることも多いものです。

でもこの認知行動療法の基本モデル,うつや不安のある人だけに役立つというわけではなくて,日常的に誰でも活用することができる「ものの見方・考え方」とも言えるかもしれません。ちょっとここでご紹介してみようと思います。

人は誰でも,その人の置かれている状況とか,身のまわりで起きるできごととか,まわりの人との関わりとか,なにかしら外からの刺激を受けながら生活しています。

外からの刺激を受けると,それを受け止めて,何らかのリアクションを起こします。

たとえば,部屋が暑くなって汗ばんでイライラしてきたので,「これはエアコンをガンガンに効かせるしかないぜ!」とリモコンのスイッチを押すとか。

あるいは,大事な書類をなくしたことに気づいて心臓がバクバクして不安でいっぱいになって「やばい,私どこにしまいこんじゃったんだろ?」と家中探し回るとか。

こうして外からの刺激に対してその人が反応するとき,その人のなかで「気分(感情)」「身体の反応」「考え(認知)」「行動」の4つの要素がお互いに影響しながらリアクションを作り出している,と考えるのが認知行動療法の基本モデルなのです。

さっきの部屋が暑くなった例にあてはめると,暑さという刺激に対して,汗ばむ(身体の反応),イライラする(気分),「エアコンをガンガンに…」(考え),リモコンを押す(行動)となりますね。

そして,エアコンを入れると汗がひいて身体も気分も爽やかになるでしょうし,「待てよ,この時期なら窓を開ければ涼しい風が入るかも」と考えたらエアコンを入れずに窓を開けることになるかもしれませんし,それでも充分心身を快適な状態にすることができそうです。ここでもやっぱり4つの要素が関連しあっていますね。

書類をなくした例でも,心臓がバクバクして(身体の反応)不安でいっぱいになって(気分),「私がどこかにしまいこんだ」(考え)と家中探し回って(行動)しまっていますが,ちょっと落ち着いてみると「そういえばあの書類,先輩に『チェックしとくから預からせて』って言われて渡したんだっけ…」と思い直すことができて,先輩にメールで確認するという別の行動を取ることもできそうですよね。ホッとして動悸もおさまるんじゃないでしょうか。

改めて「ほっほい!」のこと

「疲れたときに『ほっほい!』と言ってみる」を認知行動療法の基本モデルにあてはめてみると…,

育児や家事,お仕事などいろいろ忙しくて,身体も心も疲れを感じたとき,あまりの疲労感に「もうこんな生活やってられない」とか「何もかもイヤだ,全部投げ出してしまいたい…」といった考えに陥ってしまうと,どうしても「あーあ,疲れた…」とぐったりげっそりしたことばが口をついて出てきてしまいますよね。

そして,「疲れた…」と言葉にしてしまうことで,「やってられない,投げ出してしまいたい」という考えがますます強化されたり,心身の疲労感が余計に増してしまったりすることになるかもしれません。

それはがんばるお母さん自身にも,お子さんやご家族にとっても,もったいなくて残念なことだと思うのです。

だから,あえてこんなときに「ほっほい!」と言ってみるという行動をとおして,4つの要素が負のスパイラルを起こす流れにぜひ歯止めをかけてみてほしいなぁ…と思っています。

もしも,それでもうまくいかなかったら…,
そのときは,子育てのしんどさについて誰かに相談できるよう,本気で考えたほうがいいかもしれません。

「ほっほい!」でストレスや疲れの受け止め方を変えることはできても,ストレスそのものを軽くすることはできないのです。

たとえば誰かに今のしんどさについて相談してみるとか,今お母さんが置かれている状況を解決するための別の行動を考えてみる必要があるかもしれませんね。

 

~ 編集後記 ~

月曜日を担当させていただきます,ドクターなお♪です。
正直に告白してしまうと,私は普段認知行動療法を専門としているわけではありません。それでも,診察室でお子さんやお母さんとお話しするときに認知行動療法っぽい説明を使ったり,認知行動療法っぽい考えかたをお勧めしたりすることはよくあります。
シンプルでわかりやすいし,今どんなことが起きているのかを一歩ひいて眺めてみるのにとても便利なんですよね。
私自身の生活にももっと積極的に取り入れたいし,育児とか家事とかたくさんのストレスを抱えているお母さんたちにももっともっと広く知っていただきたいなぁ…と思ってこの記事を書きました。
ご質問や感想コメントなどいただけたら嬉しいです♪
それでは,これからもよろしくお願い致します。

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児童精神科の勤務医をしています。児童思春期の心の悩み,発達障害支援,特別じゃない特別支援教育,育児支援,ワークライフバランスに興味があります。夫と小学生の息子との3人暮らしのなかで,私自身も母親としてあれこれ悩みながら日々育児に奮闘中です。子育ての負担やストレスはできるだけ軽くしたいし,せっかくならこどもの育ちを楽しみたいし,でもこどもの心はしっかりたくましく育てたい…と欲張りな願望をもっています。こちらでは,子育てが少しでも楽になるような考えかたやコミュニケーションのとりかたについて,迷ったり気付いたりしたことを中心にあれこれ書いていきたいと思います。

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