蓮花
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種蒔くオバさん

こんにちは。隔週金曜日担当、養生と手帳とライフログの蓮花(れんか)です。
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今日の記事は先週金曜日を担当された、さちさんの記事を読んで考えたことを少し。参考記事;「こどもの将来の為に:叱ってもらうコミュニケーション」2013年10月11日

私には子どもがいません。なので、日常的に子どもに接していません。だから、子どもがどんな生き物なのか、詳しくはわかりません。そんな子どもシロウトな私が見ても、「それは明らかにやっちゃイカンだろう」と思うことをしそうになってる子どもをよく見かけます。だいたい危ないことをしそうな時です。本人は危険に気付かず、実に楽しそうな時ですwそんな時、声をかけるべきかどうなのか。ここは子どもシロウトの悩みどころなのです。

以前デパートのエスカレーターの手すりで遊んでる3歳くらいの男の子を見かけました。流れるように動く手すりに手をかけたり、動きに沿って手を滑らせたり。もう見るからに「ハイ、もうすぐ手を引き込まれますよー」という危機感に満ちた光景。これはマズい。そして周りに親御さんらしき人の姿はない。これは、かなりマズい。ドキがムネムネしちゃう状況です。私は深く考えずに、男の子の背後からそっと手をとって、
「ぼく、おててはさまっちゃうよ。いたいよ?」
とエスカレーターからさりげなく離しました。当の本人はきょとんとしていましたが、離されて駄々をこねるでもなく、「なにがおこったのだろう?」と不思議に思ってる様子。そして、その子のお母さんらしき人が、駆け寄ってくるのが見えました。

予想外の展開

私は決して、自分がたいそうなことをしたなどとは思ってはいませんでした。が、話の流れとしては、ここは「子どもを(一瞬でも)見ててくれてありがとう」的な言葉が出てくるのだろうな、本当にたいしたことじゃないのにな、通りすがりのお節介オバさんなんだけどな‥などと、おめでたい脳内シュミレーションをしておりました。そうしたら。そのお母さんは、「すみません、すみません」とコメツキバッタのようにペコペコと謝り始めたのです。「すみません」というのは便利な日本語で、謝る時にも感謝する時にも使えるのですが、このお母さんの「すみません」のニュアンスは、明らかに謝ってるほう。何度も「すみません」を繰り返し、何度もペコペコして、男の子を手をグイッと引いて、お母さんは去っていきました。‥あのお母さん、謝るようなこと何もしてないのに。‥あの男の子、このことで後で怒られなきゃいいんだけど。そういう気持ちが残り、なんとなくもやっとした思い出になりました。

誰のせいでもない

このブログのような取り組みに参加するようになったせいか、子育てや親(特に母親)子を取り巻く環境といったことに注意するようになった私が思うこと。あの時のお母さんは、以前に同じようなことで見知らぬ人に怒られたことがあるのかもしれない。乗り物の中で泣く我が子を、邪険に扱われたことがあるのかもしれない。そして、怒った人や邪険に扱った人も、鬼のように残忍な性格だったわけではなく、たまたま他のことで頭がいっぱいだったり仕事が大変だったりしただけかもしれない‥みんなそれぞれに事情があって、日々いっぱいいっぱいで暮らしてる。最近は、いっぱいいっぱい加減が限界に近寄ってる感じもあり、せつないニュースも後を絶たない。そういう流れのなかのひとコマだったのかもしれません。誰かが悪い、ということではないのでしょう。

小さな種を蒔く

私は、子どもは社会の宝だと思っています。だから、産み育てる立場の人じゃなくても、子どものことはなんとなく視界の端に捉えておくものだと思います。ちょっともやっとする経験をして、同じことをするのは気が引けるというか勇気を必要とするのですが、それでも同じシチュエーションに再び遭遇したら、私は同じことをするでしょう。

だって、私が子どもの頃、転んだ私の汚れた膝小僧を拭いてくれたり、スーパーの棚から落としてしまった品物を並べ直してくれたり、うっかりひとりで乗ってしまったエスカレーターを手をつないで一緒に降りてくれたり‥そういうお節介オバさんからいっぱい助けてもらったから。彼女たちが蒔いてくれた種は芽吹き、茎を伸ばし葉を茂らせ、私も立派なお節介オバさんへと成長しました。

次は私が種を蒔く番です。恐縮されたり迷惑がられても、蒔かなければならない。でないと次世代に種がつながりません。なので、蒔かれる立場になった方々へ。あんまり重く受け止めないでくださいね。「おぅおぅ、蒔いてるわ、オバさんが」くらいに思っててください。そして「楽できてラッキー☆」くらいに思っててください。もし、その種があなたの中で芽吹いたら。今度はあなたが蒔く人になってみてください。それで何かが大きく変わることはないでしょうが、少しこころが晴れやかになるかもしれません。

だって、こころを良い状態に保つのも、大事な養生ですからね。

 

編集後記

中国の地下鉄でのこと。グズグズと泣き始めた赤ちゃんがいました。すかさず周りの大人たち(赤の他人)が競ってあやし始め、その迫力に赤ちゃんは泣くのも忘れて見入っていました。そして、その更に周りにいた人たちは、あやしてる大人たちのバカッ面にゲラゲラ大笑いしていました。いろいろトラブルが絶えない国ですが、人と人の間の風通しはずいぶん良さげな感じでした。

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lotas

自分や家族の体調不良がきっかけで、漢方に興味を持ちました。 2008年に国際中医薬膳師試験に合格。 漢方薬だけ、薬膳料理だけ、ではなく、暮らしのすべてが養生につながります。 子育てする人も、される人も、しない人も。 みんなが元気になれる”暮らしのヒント”をお伝えしていきます。

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