なお♪
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「こども性善説」に基づいた子育て

「こども性善説」が揺らいだあのとき

ほっほい!
こんにちは,ドクターなお♪です。
毎日の育児に家事に,それにお仕事していらっしゃる方も,お疲れさまです♪

前回,「初めから,わざわざ悪く育ってやろうと思っているこどもはいない」という意味をあらわすのに,「こども性善説」ということばを充ててみました。

性善説,本来は孟子さんとか朱子さんとか昔の中国の偉い方々がその意味をブラッシュアップさせながら唱えてこられた難しい説らしいのですが,ここでは「根っこの部分ではよくありたいと願っている」くらいのニュアンスでこのことばを使っています。

さて,ちょうどつい先日私のなかで「こども性善説」が揺らいでしまって,わが子に懺悔したい気持ちになったできごとがありました。

息子が遠足に行った日のこと。

夕方,私の顔を見るや「ねぇ,お財布持ってない? 貸して~や」と言うのです。

友達の持っているものやお店で見かけたものなど,いいなぁ…と思ったらすぐ自分もほしい気持ちになりやすい彼なので,また何か買ってほしくておねだりしてきたのだな,と思った私は,

「えっ,お財布? 何でよ?」

とややつっけんどんに返したのでした。

すると息子は,ポケットからなにやらごそごそと取り出しました。

「ほら,コレあげる」

と言って差し出したもの,それは…,

蛇の脱け殻ではありませんか!

「遠足で見つけたんだ。先生が言ってたけど,お財布に入れてたら夜に妖精が来てお金に換えてくれるんだって。だから,ママのお財布に入れといて」

・・・一瞬でもわが息子のことを「また物欲に取り憑かれおって,こんにゃろ!」と腹立たしく思った自分が恥ずかしくなりました。

彼はただ,私のために蛇の脱け殻をプレゼントしてくれようとしただけだったのです!

あわてて息子にお礼を言って,それから大切にお財布に入れて毎日持ち歩いています(笑)。

財布

最近出会った,ステキな書籍。

こんな感じで,私自身も「あぁ,しまった~! ごめんねぇ…」とちょくちょく後悔したり反省したりしながら日々子育てをしているわけで,診察室でお母さんたちの子育てに関する心配や悩みをお聴きしながら,大いに共感しつつ,同志のような気持ちでお話しさせていただいています。

こどもが育つこと・こどもを育てることについての関心から,気になった書籍をいろいろ読むのですが,最近とてもステキな本に出会いました。

知人でもあり,私が尊敬している児童精神科医の先生が翻訳なさって今年7月に出版された本,「教師と親のための 子どもの問題行動を解決する3ステップ」。
CPS

この本の冒頭あたりに,こんな文章があります。

「課題をもつほとんどの子どもたちは,すでに自分たちがどのように振る舞うべきかを知っているのです。…そして,信じられないかもしれませんが,課題をもつ子どもたちは,自分自身が正しく振る舞いたいとすでに望んでいるのです。…」(P.17:太字も原文のまま)

…これって,まさに「こども性善説」の思いと重なる文章!

嬉しくなって,そのまま一気に最後まで読み終えました。

この本では,行動の課題をもつこどもたちはそのための重要な思考スキルが身についていないという前提に立ち,主には学校の先生が学校で「問題行動」と思えるような行動を取るこどもたちにどう関わりどう支援するといいかたちになるかということが,解説と仮想事例の物語を通じて語られています。

でも,これって家庭でも十分に取り組めそうな考えかた・やりかただと思うのです。

そんなわけで,これからはこの本の内容を踏まえて,おうちで活用できるCollaborative Problem Solving(大人とこどもが共働して問題を解決する方法)について私なりに書いていきたいと思います。

またよろしくお付き合いくださいませ~。

~ 編集後記 ~

考えてみれば,こどもが「どうするのがいいかわかっていても,そのためのスキルがない」のと同じように,親だって「こんなふうに育ってほしいというイメージはできていても,それをこどもに伝える・教えるためのスキルがない」のですよね。普通は子育てのコツなんて学校で教えてもらえるわけでもなく,親から手取り足取り教わるわけでもないのですから…。
それなら,どうすればこどもをうまく育てられるのか,こどもに必要なことをうまく伝え教えることができるのか,親が学ぶのは全然不思議なことではないんじゃないのかな,と思うのです。
何をもって「うまい子育て」と呼ぶのかはそれぞれの価値観なのかもしれませんが,こどもが自分の力相応の自信をもちながら,自分を好きだと思いながら育っていくことができているとしたら…,きっとそれは子育てがうまくいってるってことなのかな,と私は思っています。
子育てにたったひとつの正解というものはないにしても,ストライクゾーンにおさまるようなほどよい子育てができたらいいですよね。

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児童精神科の勤務医をしています。児童思春期の心の悩み,発達障害支援,特別じゃない特別支援教育,育児支援,ワークライフバランスに興味があります。夫と小学生の息子との3人暮らしのなかで,私自身も母親としてあれこれ悩みながら日々育児に奮闘中です。子育ての負担やストレスはできるだけ軽くしたいし,せっかくならこどもの育ちを楽しみたいし,でもこどもの心はしっかりたくましく育てたい…と欲張りな願望をもっています。こちらでは,子育てが少しでも楽になるような考えかたやコミュニケーションのとりかたについて,迷ったり気付いたりしたことを中心にあれこれ書いていきたいと思います。

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