なお♪
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こども性善説といろいろな不足スキル

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協働的問題解決と不足スキル

ほっほい!
こんにちは,ドクターなお♪です。
毎日の育児に家事に,それにお仕事していらっしゃる方も,お疲れさまです♪

前回の記事では,子育てでイライラするときに「こども性善説」に基づいて自分のこころのつぶやきを見つめなおしてみると…というお話を書きました。

たとえば,こどもが親の思ったとおりの行動をしてくれなくて

「こうしなきゃいけないことくらいわかってるでしょ!」
「どうしてこんなことができないの?」

と考えてイラッとしたり腹が立ったりしたとき,「こどもたちはすでに自分たちがどのように振る舞うべきかを知っている,そして自分自身が正しく振る舞いたいとすでに望んでいる」という考えかた(= こども性善説)でこどもの行動を眺めてみれば,

「じつはどうしたらよいのか,状況が読み取れていないのかも…」
「どうしたらいいかはわかっていても,そういうふうにできないのかも…」

といったこころのつぶやきにチェンジすることができるかもしれない,という内容でしたね。

そして,こども性善説に基づいたこころのつぶやき(考え)をベースにすれば,腹を立てたりイライラしたりして(気分)こどもを怒鳴りつける(行動)のではなく,落ち着いて穏やかに(気分)どうすればこどもが必要なスキルを身につけられるのかという課題にこどもと一緒に取り組む(行動)ことができそうです。

こんなふうに,こどもに不足しているスキルを習得できるように大人とこどもが力を合わせ,問題を解決していこうとするやりかたがCollaborative Problem Solving(CPS:協働的問題解決)というわけです。

協働的問題解決について書かれたこの本(教師と親のための子どもの問題行動を解決する3ステップ)には,こどもに不足しがちなスキルとして20個以上の例が挙げられていますが,これらのスキルはいくつかのグループに分類することができそうです。

たとえば,こんな感じ…。

  • 切り替える力・変化への対応スキル
  • ものごとを遂行するスキル
  • 集中を持続するスキル
  • 時間感覚把握スキル
  • 問題を解決するスキル
  • 他者の視点を理解するスキル
  • ことばによる自己表現力(言語コミュニケーションの発信)
  • 言語コミュニケーションの理解力(受信)
  • 非言語コミュニケーションスキル
  • 言語・非言語的ソーシャルスキル
  • 感情と思考を切り離すスキル
  • ニュートラルで柔軟な認知をするスキル

不足しているスキル,たとえば…

こうして並べてみると,こどもたちが充分に身につけることができていないことの多いスキルにはいろいろなタイプのものがありますね。
たとえば,切り替える力・変化への対応スキルについてちょっと具体的にイメージしてみると…,

大好きなゲームをやっている途中だけどそろそろお風呂に入らなくちゃいけないとか,お気に入りのテレビ番組がまだ途中だけど宿題を始めなきゃいけないとか,そういった場面で気持ちや行動の切り替えができるかどうか。

ほかにも,美味しいかつ丼が食べたかったのにとんかつ屋さんが閉まっていたとか,いつも通る道が工事中で遠回りしなきゃいけなかったとか,ピクニックに行くはずだったのに台風直撃で中止になったとか,期待どおり・いつもどおり・予定どおりに物事が進まなかったときに,「ひょっとしたらそういうこともあるかもしれない」とあらかじめ想定しておいたり,「ま,しょうがないか」と不本意な現実を受け止めたり受け流したりできるかどうか,といったことも考えられます。

こういうこと,場合によっては大人だって得意じゃなかったりしますよね(笑)。
そして一般的には,小さいこどものほうがより苦手なように思えます。

幼いうちは本当に困難でも,成長し発達するにつれて徐々にできやすくなってくる。
その途中にあるこどもが,まだ充分に切り替え力を身につけていなくても全然不思議なことではない…。

それなら,まだできていないこどもを責めたり怒ったりするより,切り替えるためのコツをこどもと一緒に考えて試してみたり,変化に対応できないつらい気持ちを上手に発散する方法を考えたりするほうがずっと役に立ちそうですね。

~ 編集後記 ~

もちろんひとりのお子さんがすべてのスキルが不足しているということではないのですけど,不足しやすいスキルの種類って結構たくさんありますよね~。恥ずかしながら,私自身がまだこのスキルは充分持ってないかもしれないぞ…と思えるようなものもあります。
「こどもは大人のミニチュアではない」と,医学生のときに小児科の講義で何度も強調されたことを今でもふと思い出します。その先生がおっしゃりたかったことは,こどもはただ大人の身体を小さくしただけではなくてもっといろいろな違いがあるんだ(たとえば身体に占める水分の割合が多いから脱水になりやすい,とか)という内容でしたが,こうしたさまざまなスキルも大人になるまでに少しずつ身についていくものであって,決して最初から「できてあたりまえ」なものではないということを忘れずにこどもたちと関われたらいいですね。
それでは,引き続きファミリーマネジメントジャーナルをお楽しみください♪

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児童精神科の勤務医をしています。児童思春期の心の悩み,発達障害支援,特別じゃない特別支援教育,育児支援,ワークライフバランスに興味があります。夫と小学生の息子との3人暮らしのなかで,私自身も母親としてあれこれ悩みながら日々育児に奮闘中です。子育ての負担やストレスはできるだけ軽くしたいし,せっかくならこどもの育ちを楽しみたいし,でもこどもの心はしっかりたくましく育てたい…と欲張りな願望をもっています。こちらでは,子育てが少しでも楽になるような考えかたやコミュニケーションのとりかたについて,迷ったり気付いたりしたことを中心にあれこれ書いていきたいと思います。

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